60代女性に、Instagramのストーリーズは本当に届いているのか?現場で感じる”3つのズレ”
Instagramを運用していると、必ずといっていいほど耳にするアドバイスがあります。
「ストーリーズを活用しましょう。フォロワーとの距離が縮まります。」
確かに、その通りだと思います。ストーリーズはフォロワーとの双方向のやり取りができる機能として、多くの運用者に推奨されています。
ただ、ターゲットが60代女性の場合、少し立ち止まって考える必要があると、私は感じています。
本当に、ストーリーズはその方たちに届いているのでしょうか。
ストーリーズが「大切」と言われる理由
まず、一般論としてストーリーズが重視される理由を整理しておきます。
ストーリーズは、通常のフィード投稿とは異なる性質を持つ機能です。アンケートや質問ボックスなどを使えばフォロワーから直接反応をもらえますし、カジュアルな日常の発信が歓迎される場でもあります。
アルゴリズムの観点からも、ストーリーズへの反応はアカウントの「親密度」を高めるとされており、フィード投稿の表示順にも影響すると言われています。
フォロワーとの関係性を育てるという意味で、ストーリーズが重要な機能であることは間違いありません。
でも、60代には届きにくい——現場で感じる”3つのズレ”
一般論は正しい。ただし、それはある一定の条件が揃っている場合の話です。
ターゲットが60代以上の女性の場合、私の現場感覚では、その条件が揃っていないことが多いと感じています。
ズレ① アイコンが小さくて、そもそも気づきにくい
Instagramを開いたとき、ストーリーズは画面の左上に小さな円形のアイコンとして並んでいます。
フィードはスクロールするだけで次々と表示されますが、ストーリーズはそのアイコンに気づき、意識的にタップしなければ見られません。
スマートフォンの画面に慣れている世代であれば自然に目が向く導線も、60代以上の方にとっては「そもそもそこに何かあるとは思っていなかった」ということが、意外と多いのです。

ズレ② タップで進む操作のハードルが高い
フィード投稿は上から下にスクロールするだけで閲覧できます。この操作は、スマートフォンに不慣れな方でも比較的身につきやすいものです。
一方、ストーリーズを連続で見るには、画面を横にタップして次のコンテンツに進む必要があります。この操作が直感的でないと感じる方は、60代以上には少なくありません。
「間違えて変なところを押してしまいそうで怖い」「どうすれば次に進むのかわからない」という声は、シニア向けのスマホ講座などでもよく聞かれます。
操作に不安があると、そもそもストーリーズを開こうとしない、という判断につながりやすいのです。
ズレ③ 「毎日スマホを開く」前提の設計と、実際の利用習慣のズレ
ストーリーズは24時間で消える設計です。これは、毎日Instagramを開くユーザーを前提にした仕組みです。
若い世代であれば、1日に複数回アプリを開くことも珍しくありません。しかし、60代の方がInstagramを開く頻度は、それよりも低いことが多いです。週に数回、あるいは気が向いたときだけ、という使い方をされている方も多くいます。
毎日開かなければ見られないコンテンツは、その前提が崩れた時点で、届かなくなります。
数字で見ると——理想と現実のギャップ
ストーリーズのリーチ率について、一般的な目安が調査データとして出ています。
Bazaarvoiceの調査によると、フォロワー数が1万人未満の小規模アカウントの場合、ストーリーズのリーチ率は7.5%以上を目指すべきとされています。またフィード投稿と比較すると、ストーリーズは24時間で消えてしまうため、フィード投稿よりリーチ率が低くなる傾向があります。(https://blog.influenxio.com/ja-JP/instagram-reach-rate/ より)
つまり、理想のラインとしてはストーリーズでフォロワーの7〜8%にリーチできていれば合格、というのが一般的な目安です。
しかし、私が60代以上の女性フォロワーが多いアカウントを見てきた肌感覚では、ストーリーズのリーチ率は良くて3%前後にとどまることが多いと感じています。(男性だとおそらくもっと低いです)
これはコンテンツの質の問題ではありません。先ほど述べた「操作の壁」「利用習慣のズレ」「設計の前提のズレ」が積み重なった結果だと考えています。
では、どうするか——今、検証していること
正直に言うと、まだ結論は出ていません。ただ、現在、大きく2つの方向性を検討・検証しています。
選択肢A:フォロワーをストーリーズに”慣れさせる”育成をする
ストーリーズが見られない理由のひとつが「操作方法がわからない」であれば、その操作方法をフィード投稿で案内する、という逆転の発想があります。
「画面上のアイコンをタップすると、新しいコンテンツが見られます」と、フィード投稿で丁寧に伝えるのです。
また、ストーリーズをハイライトとして保存しておくことで、24時間を超えても閲覧できるようにする方法もあります。ハイライトはプロフィールに常設されるため、「後からゆっくり見る」という60代の利用習慣にも合わせやすい導線です。
ただ、この育成には時間がかかります。すぐに数字が変わるものではない、という現実もあります。
選択肢B:ストーリーズの優先度を下げ、フィード投稿を増やす
もうひとつの考え方は、60代の方がすでに自然にできている「スクロール」の動作に合わせて、フィード投稿の頻度と質を上げることです。
フィード投稿は24時間で消えません。保存もできますし、後から見返すこともできます。ストーリーズよりも「じっくり読む」コンテンツに向いており、60代の方の情報収集スタイルとも相性がよい面があります。
ストーリーズに使っていた労力をフィード投稿に集中させることで、結果的にフォロワーとの接点が増える可能性もあると考えています。
発信する側も、ストーリーズは正直しんどい
もう少し、発信する側の本音も書いておきます。
ストーリーズは24時間で消えます。つまり、継続して情報を届けるためには、ほぼ毎日更新し続ける必要があります。
フィード投稿と違い、資産として蓄積されにくいコンテンツです。労力をかけても、翌日には消えてしまう。それでも届いているのであれば納得できますが、リーチ率が3%前後にとどまるとわかっているとすれば、コストとリターンのバランスを真剣に考える必要があります。
「ストーリーズを毎日更新しましょう」という一般的なアドバイスが、すべてのアカウントに当てはまるわけではない、ということを、現場で痛感しています。

まとめ:「正解」よりも、読者の実態に合わせた設計を
ストーリーズが重要な機能であることは変わりません。ただ、60代以上の女性がメインフォロワーである場合、「ストーリーズを投稿すれば届く」という前提を一度疑ってみることが必要だと思っています。
- 操作の壁があるか
- 利用頻度の習慣と設計がズレていないか
- フィード投稿との優先度を見直す余地はあるか
これらを踏まえた上で、フォロワーさんの実態に合わせた発信設計を整えていく。それが、60代女性に情報を届けるための、まず一歩だと考えています。
私自身、まだ検証の途中です。今後も現場で得た気づきを、このブログでお伝えしていきます。
こんな課題はありませんか?
60代・シニア層にInstagramで情報を届けたいけれど、どの機能を優先すべきかわからない。ストーリーズを頑張っているのに、思ったようにリーチが伸びない。
そのような場合は、まず現状の発信設計を整理することが出発点になります。
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