「動画を投稿してみたけれど、なかなか反応が得られない」 「せっかくの作品が、インスタの中だと軽く見えてしまう気がする」
そんな悩みを持つ職人さんや工房の経営者さんは少なくありません。Instagramといえば若者の流行、キラキラした音楽、短い動画……そんなイメージが強いかもしれませんが、私たちが向き合いたい「伝統工芸を愛するシニア層」には、少し違う景色が見えています。
今日は、現場で感じた「シニア層のリアリティ」に基づいた、Instagram活用のヒントを、等身大の視点でお話しします。
1. ストーリーズの「数字」に、心を削られないでください
インスタを始めると「毎日ストーリーズを更新しましょう」とよく言われます。でも、伝統工芸のアカウントでフォロワーが3,000人いても、ストーリーズを見てくれるのは50人程度、ということが珍しくありません。
シニア層にとって、24時間で消えてしまうストーリーズは、実はあまり馴染みのない機能です。アンケートスタンプやリアクションも、「どう操作していいか戸惑うもの」と感じる方が多いようです。
ここで大切なのは、「反応がない=興味がない」ではないということです。
ストーリーズは、いわば「工房の灯を絶やさず続けている、という日常の発信」のようなもの。凝った編集で時間を奪われるくらいなら、今のありのままの風景を10秒流すだけで十分です。その分、長く残る「フィード投稿」に、心を込めた1枚を添えてみませんか。

2. 「流行の音楽」よりも、工房に流れる「本物の音」を
編集アプリを開くと、おしゃれなBGMがたくさん選べます。つい動画に載せたくなりますが、一度立ち止まって考えてみてください。私たちは流行を追いかけたいのではなく、「職人の営み」を伝えたいのではないでしょうか。
シニア層の心に響くのは、意外にも「無音に近い、実際の音」だったりします。
鉋(かんな)がシュ、と木を削る音。 槌(つち)が金属を叩く、芯のある音。 水で生地を洗う、柔らかな音。
動画を編集する際は、あえて音楽を控えめにするか、いっそ「実際の音」だけを活かしてみてください。その数秒の音が、どんな言葉よりも雄弁に、あなたの作品の「本質」を伝えてくれます。

3. 「読まなくても伝わる」設計を目指す
私たちはついつい、キャプション(投稿文)に熱い想いを書き連ねてしまいます。もちろん、その想いは大切です。ですが、スマホの小さな文字を長い時間読み続けるのは、シニア世代にとって少し根気のいる作業でもあります。
「読んでくれるはずだ」と期待するよりも、「画像を見るだけで、すべてが伝わる」ような工夫をしてみましょう。
文字は大きめに、コントラストははっきりと。老眼鏡なしで読める読みやすさを意識してください。おしゃれさよりも、見やすさを優先する勇気が大切です。
また、1枚の画像に情報を詰め込まず、10枚の画像をフルに使って、1枚につき1つのメッセージを置く。パラパラとめくるだけで、工房の歴史や作品の使い道が理解できる「紙芝居のような設計」を目指してみてください。
最後に:SNSは、あなたの「手」を助ける道具です
Instagramは、作品を派手に飾るためのものではありません。職人さんが一生懸命に作った作品の「質感」や、工房に流れる「凛とした空気」を、画面越しの方へ正しく、誠実に届けるための道具です。
「おしゃれな投稿をしなければ」というプレッシャーは、一度置いておきましょう。その代わりに、シニアの方がスマホを手に取ったとき、少しだけ心が穏やかになるような、見やすくて心地よい投稿を積み重ねてみてください。
その誠実な一歩の積み重ねが、いずれ「あなたから買いたい」という、深い信頼に繋がっていきます。
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